WordPressとMovable Typeの比較

WordPress VS Movable Type

WordPressとよく比較されるブログ・CMSツールとしてMovable Typeがあります。WordPressは世界で最も利用者が多いと言いましたが、日本でのMovable Typeの利用者は非常に多いと言われています。ここでは、WordPressとMovable Typeをさまざまな角度から比較して見たいと思います。

WordPressとMovable Typeの機能的な違いはどこなのでしょうか。また、WordPressとMovable Typeの人気の差はどれくらいあるのでしょうか。今選ぶべき、ブログツールは果たしてWordPressなのか、Movable Typeなのか、考えてみましょう。

WordPressとMovable Typeの違い

WordPressとMovable Typeのよく比較される項目について以下の表にまとめてみました。

WordPress Movable Type
動作言語 PHP Perl (動的生成はPHP)
データベース MySQL MySQL、PostgreSQL、SQLiteから選択
ライセンス 無償(GPL) 有償。個人利用は無償。MTOS(※1)は無償(GPL)
複数ブログ WordPress MU(※2)で可能 可能
配信方法 動的生成 静的生成(HTML)と動的生成(PHP)
テンプレート PHP形式のテンプレートタグ MTタグと呼ばれる独自のテンプレートタグ

ライセンスの問題
こうしてWordPressとMovable Typeを基本的な部分で比較してみると大差がないようです。オープンソース版のMTOSが出るまでは、Movable Typeを商用利用するにはライセンス料が必要だったので、このライセンス料を理由にWordPressに移った方も多かったように思います。無償で使用できるMTOSですが、きちんとMovable Typeで運用しようと思うとやはりSix Apartの商用ライセンス版を購入する方が確実なわけで、そうなると複数のブログを運用する方にとっては負担が大きくなります。

動的生成と静的生成
もうひとつ取り上げられる点として、記事の配信方法の違い、つまり動的生成か静的生成かという大きな違いがあります。WordPressはPHPによる動的生成で、Movable Typeはデフォルトでは静的生成です。動的生成、静的生成のメリットデメリットはあるわけですが、記事の数が多くなってくると静的生成では再構築に非常に時間がかかり、サーバーにもかなりの負担がかかってくるようです。この再構築の問題のために、WordPressに移行された、という話もよく聞きます。Movable Typeにも動的生成するダイナミックパブリッシングがサポートされているので一概には言えないかもしれません。

この動的生成、静的生成の話と合わせて、SEOの話もよく出てきます。よく指摘されるのが動的生成はSEOに不利だ、という点です。確かにURLが?や&などのパラメータを含む場合は、検索エンジンにうまくクロールされないかもしれません。WordPressのデフォルトでもそのような動的URLになってしまうのですが、パーマリンクを設定する強力な機能がWordPressには搭載されています。簡単な設定で動的生成であっても静的なファイルであるかのように見せることができるのです。そのため、SEO効果が高いURLを指定してやることも自由にできるのです。

※1 MTOSは、Movable Typeのオープンソース版で、Six Apart社から提供される商用パッケージとは内容が若干異なります。

※2 WordPress MUはWordPressのマルチユーザー版で、ブログレンタルサービス向けに作られた、複数ユーザー、複数ブログを管理できるプラットフォームです。

Google トレンドでみるWordPressとMovable Typeの検索数の推移による比較

キーワードの検索傾向が分かる「Google トレンド」にてWordPressとMovable Typeを比較してみましょう。まず最初は、世界全体の検索に対するWordPressとMovable Typeの検索の推移を示しています。これを見れば一目瞭然で、2004年の時点でWordPressとMovable Typeは逆転しているのがわかると思います。

Googleトレンド WordPressとMovable Typeの比較(世界)

以下は、WordPressの検索数を1.00とした時のMovable Typeの検索数の比較です。WordPressに比較して、Movable Typeに対する検索数はどんどん減っていくのがよく分かります。2008年においては、Movable Typeの検索数はWordPressのわずか3%という結果です。世界のブログツール市場としては、圧倒的な差がついているといえるでしょう。

2004   2005   2006   2007   2008 全期間
WordPress 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00
Movable Type 1.62 0.37 0.12 0.05 0.03 0.14

一方、日本でのWordPressとMovable Typeの検索の比較を見てみましょう。2006年までは圧倒的にMovable Typeが優勢ですが、2007年から形勢が逆転しています。つまり、2007年移行はMovable TypeよりWordPressが注目されているということです。

Googleトレンド WordPressとMovable Typeの比較(日本)

日本におけるWordPressの検索数を1.00とした時のMovable Typeの検索数の比較です。2004年の検索がWordPressにはないので、全体の数値こそMovable Typeが上回っているが、WordPressに対してMovable Typeがどんどん勢いを失っているのが数値からもよくわかります。ただ世界での検索推移とは異なり、2008年においてもMovable Typeは38%もあり、日本においてはMovable Typeの強さはまだ顕在といえるでしょう。

2004   2005   2006   2007   2008 全期間
WordPress 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00
Movable Type 5.85 1.88 0.68 0.38 1.48

結局、WordPressかMovable Typeか?

WordPressとMovable Typeの機能面やトレンド面から比較をしてきましたが、ブログ・CMSツールとしてどちらを選べばいいのでしょうか。どちらも優れたツールであることは間違いありません。しかし、ここではWordPressをぜひ使っていただきたいと思います。

WordPressの人気がMovable Typeを大きく引き離していることは上述したとおりです。この最大の理由の一つにWordPressのコミュニティがあげられます。確かに日本でのコミュニティはまだ小さいかもしれませんが、世界中の開発者が参加しているWordPressは圧倒的です。多くのプラグインが開発されています。WordPressの公式サイトにあるプラグインディレクトリには3,600のプラグイン(2008年12月現在)が登録されています。Movable Typeにもプラグインはありますが、その数は及ばないでしょう。

このプラグインが意味するものは、WordPressの拡張性にあります。この拡張性もまた、WordPressが好まれる理由の一つです。WordPressをベースにやろうと思えば何でもプラグインという形で実現できてしまいます。WordPress本体を変更することなく、プラグインという形で拡張していくので、WordPress本体のコアがアップグレードしてもプラグイン側で対応していけば問題ありません。

このWordPressのバージョンアップもメリットの一つです。確かに頻繁にアップグレードするのは利用者としては面倒なものです。しかし、WordPress 2.7よりアップグレードも管理画面から自動で行えるようになりました。プラグインのダウンロードやインストールも管理画面からできてしまいます。メンテナンスは結構なコストがかかるものですが、現在のWordPressは非常に楽になっているのです。

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